【伝説の】白龍もいいけど1番はよ○つねだろう!なあ!【ギャルゲー】

遙かなる時空の中で 3

遙かなる時空の中で 3

懲りずにネオロマ3本目。続編が2つ出てる中、敢て初代をやっているのは大人の事情(?)。こうして同じゲームにシナリオを追加した続編が出ると、「曲芸商法」を思い出すのは私だけでしょうか?と思ったら3作目はキャラは同じでまるっきり違う作品だった。
持ち主曰く、「1と2のシステムは基本同じだが、3は全く違う」ということなので、借りてきて、やってみた。
他のゲームばっかりつらつら書いてますが、積んでないですよ。>貸してくれた人


以下、ネタバレを大いに含みそうな感想。

主人公と、その幼馴染(2名)が過去の世界に飛ばされて、元の世界に戻ろうとするお話。Cero12歳以上対象になるような内容が含まれます。
飛ばされた先は平安時代末期、源氏が京を制圧するあたり。
主人公とその幼馴染(2名のうち1名)は源氏に保護され、源氏と行動を共にする。
今回は、「鎌倉殿」とか「源九郎義経」とか「武蔵坊弁慶」とか「平清盛」とか「後白河法皇」とか、実在の人物がわんさか出てきます。
そこを主人公たちが現れて、好き勝手歴史を書き換えるので多分日本史のお勉強にはなりません。なったところで源平のところしか詳しくならないしね。ゲーム中のキャラも同じようなこと云ってたな>日本史の勉強にならない だって、実際の歴史には源頼朝平清盛が和議を結ぶことなんてないでしょ?


歴史を書き換えるゲームといえばFCの糞ゲー「時空の旅人」かSFCの名作RPGクロノ・トリガー」ですね。
「時空の旅人」や「クロノ・トリガー」同様、一度主人公は現代に戻ったあと、この時代の出来事が気に入らなかったらしく、歴史を書き換えるために再び過去の世界に行きます。
子供たちを現代に返したあと、再び歴史を変えるために過去に戻ったクタジマー・トシトとか、廃墟となった未来を見て、歴史を変えようと過去に旅立つクロノとかを思い出しますね。
タイムマシン「こい」や、「シルバード」に代わるアイテム「白龍の逆鱗」を1周目突破時に入手した主人公は、色々な時代を好き勝手移動できます。
過去の世界はは全7〜9章*1で構成されていて、時間移動をする時はこの章単位で、好きな章を選んでやり直すことができます。
前の章での行動に依存して、後の章での内容が大きく変わります。「あがめられているのが魔王からビネガーに変わった」とか「宝箱の中身が変わった」とか「ある家の様子が変わった」程度ではなく、「秀吉が天下を統一するか信長が天下を統一するか」位変わってしまいます。あがめられているのが魔王からビネガーへ変わったというのも、重要な変化かもしれませんがプレイヤー側からしてみたらたいした変化じゃないです。この作品では主人公たちのやることが大きく変わってしまうのだから。
また、一度未来を見て、主人公がこのまま先に行ったらどうなるか知っている状態となって、過去の自分や仲間の行動を変え、好きな結末を作るのがこのゲームの面白さでしょう。未来でのフラグの状態によって、過去の同じルートでも新しい選択肢が出たりイベントが増えたり、選択肢の出ないところで選択肢が出たりします。
主に、過去や未来に影響を与えるものは
・主人公や仲間の能力(特に特定の技を取得しているか否か)
・主人公と仲間、又は仲間同士の絆の強さ(基本的に、一度未来へ行って上げてきた絆は、過去に戻ってもなぜかそのまま)
・過去や未来で立ててきたフラグ(未来を知っているか、過去に○○を起こしたか)
など、様々な要素にしたがって、過去も未来もコロコロ変化します。
展開によっては、負け戦が勝ち戦になったり、幼馴染と刃を交えることになったり、仲間が新しい技を覚えたり、仲間だったキャラが突然裏切ったりするびっくり展開が起きて、面白いです。実は1周目でまわる歴史は既に変えられたものであったのも新鮮でした。
重要なのは、5章以降は「○○7章」「××8章」のように、キャラごとにシナリオが分かれているケースがあり、片方のフラグを立てればもう片方は立たないという仕組みがきちんとしているので、前作、前々作で出来た「2股」「3股」はては「8股」「10股」といった道徳的じゃないことはシステム的にできないようになってます。不自然だって突込みが来たのでしょうか?このほうが自然かと思います。っていうか平然と8股できちゃうのは結構不謹慎じゃないかと思ってた。したがって、全キャラ攻略するためにはキャラ数(今回は10人)だけ周回数を重ねなければいけません。そして、周回数を重ねるたびにこのゲームの難度は大きく下がってきます。(後で扱う経験値の仕組みより)



あと、「キャラクターについてレポートを書け」とか云われた覚えがなくもないので、ちょっとだけここで書いておきましょうか。
云うまでもなく、攻略できるキャラは全員美形で、髪の毛の色はギャルゲー同様、多種多様です。
平敦盛とか梶原景時とか平知盛とか(以下略)などこのゲームで名前をしってあとで調べてみて実在を確認したような歴史上ではどうでもいいことになっている人物とか、攻略できない源頼朝北条政子とか、源九郎義経とかはこのグラフィックで出てきてもしっくり来るのですが、「源平討魔伝」で鉄球や棒を振り回してくる大男「武蔵坊弁慶」や、子供の姿で復活した設定になっている「平清盛」とかは美形なのはともかく、大男やジジイ又は兄ちゃんのイメージを破壊されたので、かなり違和感があります。弁慶に関しては、京阪三条駅にディスプレイされているフィギュア人形の写真を見れば納得することができますが、清盛が子供なのは無茶です。他にも実際の歴史でどんな人だったか知っていたらなじめないような人物はいっぱいいます。
八葉の役割で雰囲気が似てるのは気のせいでしょうか?中の人が同じだったりするし。
それと、「少年」って書いてあるけどチビ白龍は誰がどう見ても絶対女。ほら、中の人が前々作では10歳の姫だったし設定割と似てるし。


キャラまわりの感想はもう一つ、SFCの「アンジェリーク」と違って、主人公の絵が好みで好感が持てます。これ結構大事w っていうかこのゲームって最初の性格診断で自分の好きなキャラができるように答えて、男性キャラの言動に対して、自分の好きなように答えを出す主人公に萌えるゲームだろう?違うか!?そうだろう!!


戦闘について。
今回は戦闘はより複雑になりましたが、普通のRPGでありそうなものになっています。前々作では戦闘後にまで影響を及ぼす唯一の行動「応援」がありましたが、今作ではいわゆる「主人公のみが使える仲間のMP回復」に格下げになりました。
難度については仲良くなりたいキャラをテキトーに選べばなんとかなった戦闘と変わって、基本的にはいる仲間を全員連れて行くことができるが、馬車から出て前線で戦う3人を選ぶ仕組みになっています。*2しかし、毎ターン編成を変えることはできませんが、自分の周りに8人を円状に配置して、円の回転は自由。ただし、配置は戦闘中変えられないという制限が特徴です。
このゲームはドラクエやFFより属性の影響力が強く、テキトーに選んでいるとボスには瞬殺されてしまいますので、油断なりません。しかも、かかったターン数で経験値や仲間との絆の強まり具合が変わる上、時間をかけるのはだるいので敵が出てくるたびに、敵の属性*3に対して1発で仕留めたくなります。特徴的なのは自分が有利な属性の敵に術を使えば、雑魚なら大抵1発で死ぬか瀕死に、自分が苦手な属性の敵の攻撃を受ければ雑魚からでもたちまちピンチになってしまう、軽やかなところでしょう。戦闘のスピードが速いのは、「RPGじゃないので戦闘は手短に」という配慮かと思いますが、非常に良いことだと思います。「バズー!魔法世界」や「星をみるひと」みたいに、1回1回の戦闘に時間がかかってくると戦闘そのものが苦痛となってくると思いますので、これは良い配慮だと思います。その上で属性が悪いとまず勝てない、ある属性の術を使うために主人公とその属性の術を持ったキャラと別の属性を持つキャラが前線に出ている必要があるが、戦闘中に円陣の配置の変更がきかないため、円陣の配置など、考えさせる要素があって、よく出来ているとおもいます。
 

 よく出来ているといえばもう一つ、経験値*4まわり。このゲームは「ドカポン321」や「ファイナルファンタジータクティクス」のジョブシステム同様、好きな能力に経験値を配分して伸ばすというシステムがとられています。経験値は全員で共有なので、お目当てのキャラから先に経験値を振ってやれます。
また、龍脈を流れる云々、自然界に存在するものには全て五行の属性があるという設定上、経験値にまで属性が存在します。恐らく火属性の敵は火属性の経験値、水属性の敵は水属性の経験値しかくれないので、各属性の敵をバランス良く倒していく必要があります。攻撃力や霊力*5が高いキャラが水属性だから、火属性の敵から経験値を稼ごうという考えは通用しません。基本的には、ある能力を上げたり、技を取得するのに全ての属性の経験値が一定値だけ必要なのですが、ものによっては、特定の属性の経験値だけ多く必要だったり、いらなかったりするものが存在します。経験値である五行の力には上限値があるので、あまりにも偏りがきつい場合は、足りない属性の経験値がいらないものばかりに経験値を振って、偏りを解消することもできますw。
 もちろん、成長を縛ってマゾプレイもできます。自由度が高いですね。

 
 次、ゲームバランスについて。
 前々作は「縛りでもかけてマゾプレイでもしてみようか」と思うほどぬるかったのですが、今回はそんなことなくなっています。特にこれといった経験値稼ぎをしないで1周目7章(多分)に行ったところ、ボスである平惟盛との戦いは普通のRPGのような面白さもありました。
 ところが、経験値は2周目以降、引き継げるので1周目と同じ進め方だと、最初がいい感じで、だんだん だんだんぬるくなっていきます。1周目で戦うボスは、恐らく平惟盛か平知盛だったと思いますが、(平知盛のほうが後に戦ったけど、負けた。それでもイベントがちゃんと続いたあたり、強制敗北戦闘だった可能性がある。)彼らは2周目以降、基本的には中ボスに格下げになります。
 そして、2周目以降は1周目では出てこなかったもっと強そうな巨大なボスがラスボスとなります。3周目ぐらいまでは、このラスボスはなかなか手ごたえがあります。雑魚敵に関しても、2周目以降では、1周目では行けなかった「厳島」や「壇ノ浦」が増えますので、これらの場所ではより強い雑魚敵が出てきます。
しかし、一般的には段々ぬるくなってくるのは変わりなく、周回数を重ねると、1周目ではラスボス的扱いだった平家の武将が2〜3ターンで倒されてしまうほどになります。「最初が普通で、だんだんぬるくなる」という特徴上、縛りプレイが面白くなってくると思います。このぬるさも、難しくて手が付けられないゲームよりはるかに自由度が高いプレイが出来てよいと思います。
 恋愛イベントに進めるためのフラグ立て(絆の関の突破)も、移動できる場所やフラグ条件が多く、難しくなっています。しかし、メニューから人物情報を見ることで、フラグが何章にあるか、足りないフラグを埋めるためのヒントなどが書かれているので、きちんと目を通しておけば、同じ章を3回もやればまず突破できる親切設計になっています。


 全体的にはストーリーを重視した作品ですがゲーム性も高いので、よくできているとおもいます。3作目というだけあってさすがの完成度です。ゲームシステムについても大いに参考になったものがありました。やっぱし時空を行き来するゲームは面白いものが多いね。「時空を行き来する」設定はシリーズ共通の設定ではないので、全部リニューアルした4を作るとこの優れたシステムを引き継ぎづらいので、3の亜種がいっぱいでてるんですね。きっとw
 とりあえず、この手のゲームとしてはあまり例を見ないけど、敵の強さを難度設定できる機能(多分続編1つ目の十六夜記には搭載。)とか、こっちの能力に依存して相手も強くなるシステム(FFTFF8で出たものと似たもの)がほしかったなー。特に後者。あのシステムが最も生きてくる作品だと思うんだ。


 ちなみに私は弁慶・白龍派です。でもシナリオが面白かったのは将臣、リズヴァーンシナリオ。これだけ書けば十分でしょう。というわけで、ごちそうさまでした。この感想を書いている時間はおきになさらずに。>貸してくれた方

*1:1〜4章での行動によっ

*2:前々作では出かける前に同行する2人を選び残りは留守番だった

*3:全てのキャラに属性が存在。主人公の属性のみ誕生日に依存。

*4:ちなみに、このゲームでは「五行の力」という設定

*5:魔力のようなもの