京成イブニングライナー

京成線のラッシュ時の着席保証列車イブニングライナー」。
有料特急である「スカイライナー」の車両が使われますが、その中では400円と割とお手ごろな値段で乗ることができ、安さに定評がある「スカイライナー」の通勤ライナー版といった感じがします。
停車駅は上野、日暮里、青砥、八千代台、佐倉、成田、空港第2ビル、成田空港ですが今回は上野→青砥で乗って無駄遣いしてきましたw

列車そのものについて

火曜日の18:30頃に乗りましたが、京成線上野口はこの時間帯としては田園都市線小田急線などと比べるとラッシュは緩やかで、上野駅の場所が不便な所にあるせいか、「快速 芝山千代田行き」などの足の長い優等列車も発車直前でなければ着席の望みがあるといった状態です。労組の強さに定評がある京成ですが、扉が開く前から張り詰めた状態の小田急線や東武東上線などと比べると、通勤ラッシュは至って平和なようです。
ただし、上野口の優等列車はあっても津田沼からは各駅に止まる快速(昼間だと快速は佐倉で特急につかまる)で、優等少な目の各停中心ダイヤとなっています。そのため、4両や6両の列車も多く、特に4両の金町行きは日暮里や町屋などからの乗客も加わって比較的混雑した状態で青砥に到着します。
「始発からの優等列車」の需要が小田急や西武と比べると極端に少ない京成では、有料着席特急にもその傾向が強く現れていて、発車直前でも簡単にライナー券を入手でき、「30分前から販売機の前に長蛇の列ができている」なんてことはありません。快速も上野からなら比較的すいているので「純粋な上野口の最優等列車」という側面も強いです。
京成スカイライナーは現在も1号車、8号車は喫煙席として残っています。成田空港寄りの1〜3号車は上野から乗る人のための車両、上野よりの5・6・8号車は日暮里から乗る人のための車両、7号車は前売りのための車両、7号車は青砥から乗る人のための車両となっています。また、全ての座席が号車指定の自由席なので「喫煙席しか空いてない」という状態が生まれるのではという懸念もありましたが、乗車率は50%前後で、窓際がうまる程度なのでそのような心配はなさそうです。


京成線の通勤客の多くは都営浅草線方面を利用するので、昼間は無料優等列車の多くは上野口を走っているのに対して、ラッシュ時は都営浅草線直通列車の本数が多く、都営浅草線からの列車の方が混雑しています。
そういう状態を加味すると、AE100形は浅草線に入れるので、MSEみたいにイブニングライナーモーニングライナー浅草線直通にしてもいいのではないかとも思いましたが、通常のスカイライナーからの折り返し運用であることを考えると、あまり現実的ではなさそうです。ただ、都営浅草線東京駅乗り入れ構想実現時には、成田エクスプレスへの対抗としても是非東京駅へ乗り入れていただきたいと思います。これも新車のAE形が地下直対応してないことを考えると厳しいか?
現状利用者が成田エクスプレスに比べると伸び悩んでいるようですが、最大の弱点はやはり「走ってる所が微妙」ということでしょう。成田エクスプレスは渋谷・新宿・池袋・横浜の各地から「いつも使ってるホームから」成田空港に行くことができ、本数も充実しています。一方京成はいくら安くて速いとはいえ、上野・日暮里からしか乗車できず、上野駅もかなり他線(JR・地下鉄両方)から離れてる現状を考慮すると、使いづらい感じが否めません。「スカイライナー」については船橋に止まるようになりましたが、乗り換え距離は結構あり、使えるパターンが限定されそう、という現実が重くのしかかります。

AE100形について

座席は固く、青いシートはE231系グリーン車を彷彿とさせます。しかし、リクライニングはかなりの角度まで倒れ、シートピッチは大柄な外国人を想定してか1040mmと普通車としてはかなり広い部類に入ります。跳ね上げ式のフットレストも装備していて、細かい部分で「有料列車」らしさを感じさせます。座席の固さも料金の安さと最長でも上野→成田空港という乗車距離を考えると、まぁありなんじゃないかなという感じがします。
ただ、「揺れが気になる」とか「バックレストが低いので、外国人や背が高い人がくつろげるか?」という問題点も指摘されており、安さを考えるとある程度の妥協は必要かもしれませんが、それでもクルマとしての課題も残ります。
グレー調のインテリアと間接照明は落ち着いた空間を作ることに成功していますが、「イブニングライナー」という列車柄かちょっと暗い感じが否めません。この点は小田急30000系「EXE」にも言えることですが、小田急ロマンスカー「EXE」のほうが内装デザインの面では勝っていて、京成のダサいイメージを覆すには力不足という感じがします。
空港へ行く列車ということで、荷物スペースは充実していましたが、トイレが4号車1箇所にしかなく、8両というキャパの割には少なく感じられました。成田空港高速鉄道向けの新車ではせめて、2・7or3・6号車といった感じでトイレは2箇所欲しいなと思いました。