NKTHダイヤ改正について

 NKTH(京急・都営浅草・京成・北総・芝山)のダイヤ改正が発表されましたね。スカイアクセスを2ヵ月後に控えているのでスカイアクセス開業と共にまとめて改正かと思いましたが、一足早くダイヤ改正が行われるようです。ダイヤ改正をやるにも相応の費用がかかる(NKTHの場合は直通関係が複雑なので特にかかりそう)ので、このダイヤがスカイアクセス開業後も基盤になるものかと思われます。特に京急・都営浅草線スカイアクセス開業後もこのダイヤがベースで多少行き先変更があるくらいでしょう。NKTHはちょっとしたダイヤ改正でも新しく見られるような運用や、消える運用などがあるのでちょっとした改正でも目が離せません。これだけの大改正にいたっては注目しないわけにはいかないでしょう。

 まだ細かいダイヤ改正内容はわかりませんが、目玉部分がたくさんあるので京急を中心にコメントしていきましょうか。

蒲田を通過する「新エアポート快特

 今回目玉が数多くあれど、一番の目玉はこれでしょう。大田区からの苦情もあり一度はプレスリリース発表を取り下げることになった最大の争点です。「新エアポート快特」の蒲田通過で、現行上り17分の羽田空港→品川の所要時間が1分縮まります。これだけ聞くと妥当な改正のように思われます。しかし「エアポート快特」って、上りはA快特の直後を走る関係でかなり速度が落ちてしまっているんですよね。折角大改正するなら前のA快特を気にせずに走れるようなダイヤになればそれだけで所要時間の大幅な短縮が図れそうですが、空港線をはさんで上りと下りが複雑に絡み合う現行ダイヤだと難しいところがあります。主に蒲田周りの線路要領が限界です。まだ正式なダイヤが出ていませんが、「エアポート急行」新設でD快特がA快特にくっつく必要がある現行ダイヤよりは自由に列車を走らせることができるので、それを生かして「エアポート快特」をもっと自由に走らせることはできなかったかはよく検討してみたいところです。

 さて、次に議論になっている「蒲田通過」について。
 優等列車の停車駅はどの路線も時間の経過と共に増え続けています。そして、急行が優等列車としての威厳を失ったら特急、快特が登場しています。新線ができて乗換駅になったり、新しい街を開発したりして停車駅が増えます。でも「優等の停車駅が減る」というケースは優等列車がそっくりそのまま消えてしまうケースを除くとかなりまれです。ぱっと思い出せる範囲だと東武東上線特急の志木通過、阪急京都線特急の大宮通過ぐらいでしょうか。あとは概ね優等の停車駅は増えています。
 そんな中の「蒲田通過」です。大田区から猛反発がありました。優等列車の停車駅カットは沿線からの反発がきついのでなかなかできないのでしょうか。「新エアポート快特」の蒲田通過について、少し吟味してみましょう。
 まずは、快特の「蒲田停車」の意義を考えて見ましょう。蒲田は東海道線は通過、京急快速特急ができたばかりのころは蒲田は通過していました。後に停車するようになりますが、これは空港線乗り換えによる「空港アクセスの便宜」のためでしょう。京急蒲田は川崎と比べると小規模で、今でも「本線と空港線との乗り換え駅」としての機能が非常に強いのが現在の印象です。特に現行ダイヤだと下りA快特から空港方面への急行に乗り継げるのは便利ですね。しかし、エアポート快特はどうでしょうか。空港方面から横浜方面への乗り継ぎ、品川方面から横浜方面への乗り継ぎはできるでしょうか。まだちゃんと確かめていませんが、空港→横浜は事実上エアポート快特の直後をD特急がカバーしていますし、下りD特急と空港行きエアポート快特は接続できるはずがありません。(両方蒲田1番線を使うので。) エアポート快特から横浜方面の列車の乗り継ぎとしては微妙、蒲田の乗降もそう多くないとなれば通過もありかと思います。っていうか、よく通過した。ここで京急が折れるとなし崩し的に停車駅が増えるリスクもあるので、個人的には通過のほうがいいかなーと思います。蒲田から空港へ日常的に行く人はそう多くないので、蒲田通過で困るといえば蒲田→品川→浅草線への乗車機会が減ることぐらいだけど、エアポート快特が3本通過したくらいでも、蒲田からの乗車機会は十分でしょ。急行とあわせても1時間9本あるんだし。

エアポート急行」の登場と、事実上の蒲田以南急行の復活。

 従来のD快特*1を置き換える形で登場になるっぽいです。普通に京急を使う分にはこれの影響が一番大きいかな。
 まだちゃんと調べてないけどどんな影響があるかというと

  1. 蒲田以南の事実上急行復活
  2. 純粋な「急行」名称の消滅
  3. 川崎〜文庫の普通が減便
  4. 昼間の川崎〜文庫のA快特が12両から8両に減車
  5. 慣れてないユーザーにはかなりわかりづらい2回種別変更するD特急の消滅

 蒲田以南の急行復活で、鶴見などの急行停車駅は一気に便利になります。ただ、以下3つの影響がばかにならなさそうです。
 まずは川崎〜文庫の普通減便。そのまんまです。これまではD特急がA快特にくっついていたので、川崎〜文庫の線路容量には余裕があったので、普通が5分間隔で走っていました。このうち1本がエアポート急行になるので、普通は減便になります。また、優等が増えるのでその分普通は利用しづらくなるでしょう。
 また、これまで12両だった昼間のA快特が8両になります。昼間の8両のSH快特はかなり混んでいる感じがします。A快特が12両である意義はまだまだあるといえるでしょう。8両のエアポート急行が新しく増えるので、川崎〜文庫の優等の輸送力は増えますが、急行は途中で快特に抜かれるので、快特の混雑が激化しないかが心配です。横浜をはさんでどのような関係になるかが注目点ですね。(利用者が一番多いのが横浜なので、横浜まで先着できるかが、利用平準化に影響)
 名前について。現在のダイヤでは昼間、都営浅草線内で通過運転を行う「エアポート快特」は40分間隔です。「エアポート特急」と「エアポート快特」が浅草線内で通過運転を行っていたことや京成線内での地位低下や成田空港行きの消滅で「空港列車」という性格を失いつつあったことを鑑みると「エアポート」とつく列車が浅草線内で通過運転をするような感じがします。ところが「急行」を「エアポート急行」にするといかにも都営線内通過運転をしそうですが、エアポート急行と新エアポート快特が全て都営浅草線内通過運転をすると、都営浅草線内通過運転をする列車が今までの4倍である10分間隔になってしまいます。このことから、おそらくエアポート急行都営線内は各駅停車と思われますが、それだと「エアポート」という名前の意味が微妙になってしまいます。「急行」でいいだろ!夕ラッシュ時の京急線内急行、都営線エアポート快特の列車はまさに「エアポート急行」だけど。
 D特急について。D特急は普通⇔快特⇔特急と京急線内だけで2回種別が変わるという、かなりわかりづらい列車だったと思います。下りでは川崎の留置線でA快特を退避するという離れ業をやってのけます。一見さんが多い空港発着のユーザーにはあまりにも優しくありません。これが「エアポート急行」という種別に一本化される分にはわかりやすくなるという意味ではいいでしょう。「エアポート」の名前の意味が場所ごとに変わることになりますが。また、このD特急消滅に伴って、文庫や川崎での連結・切り離しが見れなくなります。しかし、この連結切り離しがなくなる分と、短くなった分だけスピードアップします。

快特金沢八景停車

 うーん、また停車駅追加です。これで品川〜久里浜間で見ても当初からの快特停車駅は品川、川崎、横浜、上大岡、文庫、横須賀中央、久里浜であるのに対してあとから追加された停車駅は、蒲田、金沢八景、堀之内、新大津、北久里浜。停車駅は倍近くに増えています。快特の威厳という意味では大分快特の最優等らしさが損なわれている感じがします。ただ、金沢八景は都心から離れているしシーサイドライン逗子線への乗り換えに便利なので無視できない状態ですよね。もう停車も妥当でしょう。Wingも八景停車かなぁ。


詳細が全然出てないのにこれだけネタに出来るから京急のダイヤはすごい。

*1:羽田空港→(特急)→京急川崎→(A快特に連結)→金沢文庫→(普通)→新逗子浦賀またはこの逆